30年、40年先にも新しい発見がある豊かさと夢があふれる空間を創造
施主様自身も気付いていない嗜好や要望を掘り起こすために、対話を重ねる。少し現実的ではない無茶な要望でも、数十個に及ぶ模型やCGによる検討を行い、試行錯誤を重ね、可能な限り理想を具現化する。時には、既成の概念には無い新たなアイデアで、施主様のイメージを凌駕するクオリティを叶えて驚かせる。
〈武藤圭太郎建築設計事務所〉が手掛ける建築には、住む人や建築を使う人のキャラクターや生き方が現れる。30年、40年先にも新しい発見を得たり、豊かさを感じる夢のある空間になる。だから、一棟一棟が実に個性豊かだ。
はじめにご紹介するのは、山を切り崩し、住宅地として開発された崖下に建つ平屋建て。硬い岩盤を避けてクランクさせた形状の壁と大きな窓によって、内部と外部の境界は曖昧に。道路側からの視線はブロックし、山側にはアウトドアのテラスをはじめ、樹木が生い茂るワイルドな周辺環境を生かした、開放感を感じる空間が広がっている。住宅らしさはなくしつつ、けれど住みやすく。多様な居場所を内包しつつ、荒々しい自然環境に密接に関わる住まいとなっている。
2つめは、商業地域に建つ個人邸。限られた坪数の敷地にプライバシーを保ちながら最大限の内部空間を確保するために、エレベーターを備えた都市型の5層住宅としている。本棚を設けた5層吹き抜けの階段室はトップライトや開口を大きく開ける事で、各部屋にも光を運ぶ役割も。立体的にからみあうテラスがもたらす静謐な陰影と賑わいが共存する都市での暮らしを楽しむ住宅だ。
そして最後に、造園を仕事にするご主人が設える庭と一体になった開放的なリビング、車2台分のガレージが欲しいという施主様のご要望を受け、大きな片流れの屋根と壁をナナメにするプランとし、間口一杯の引き込み窓を設けた大胆な平屋だ。敷地の南北両方に広がる祖母や父親の畑がごく自然に視界に入り、開口部のコンクリートのベンチが床の付近に影をつくり、開口部に現れる風景を鮮やかに切り取る。やわらかなグレーと白木でまとめられた空間は、おおらかでそして心地良い。
土地の持つ魅力を最大限に活かしながら、その人だけの空間を。ご相談の際には、イメージが無限に広がる武藤氏とのトークも存分に楽しみながら、家づくりを進めていただきたい。