クライアントとの対話を重視し
言葉にできない想いをカタチにする
株式会社 seki.design
塀を用いずに完全なプライバシーを保ちながら
里山の環境と風景を楽しめるコートヤードハウス
里山の豊かでのびやかな自然に、真っ白な建物がひときわ美しい。室内空間を形成するRC打放しの躯体は中央に中庭を内包するシンプルな長方形。そして、その躯体を覆い隠すように、白い壁が複雑な形状でまとわりつく。
白い壁は玄関までの長いアプローチの屋根、北西の里山に臨む里山テラスの庇、その他の小窓の庇を形作るための構造体であり、いびつな敷地形状に従いながらも、合理的なカタチとなって建物を完成させている。北西以外の全方向には隣家や田畑があり、プライバシーを守りにくいというロケーション。計画にあたっての課題は、周囲からのプライバシーを確保しつつ、敷地の北西方向に隣接する自然豊かな里山風景をできるだけ活かすこと。そこであえて、その里山だけしか見えない切り取られたビューをメインに据え、一方全体はロの字型プランとして、中心にある中庭からの光で住まいを充たしていく構成としている。中庭があるため、周囲の視線がある場所に関しては開口部をなくしつつ、明るい空間を確保。北西方向に広がる里山が、夏の厳しい西日も遮ってくれる。また、中庭に面した一部を連続するスリット窓を設けたセミオープンな空間とし、やさしい陽射しを取り込んでいる。そこを歩くと中庭の緑が見え隠れし、フルオープンとは違った趣きを感じることができる。
エアコンやカーテンレールは天井に埋め込まれて存在感を消し、冷蔵庫やその他家電も大きな引き違い戸の中へ収納、テレビもなし。ミニマルな空間への徹底的なこだわりはご主人のお考え。そして、装飾的なタイルと置き家具を要所に使う奥様のアイデアで、現代的かつ女性的な優しさをプラスした素敵なインテリアが完成した。
このコートヤードハウスを設計した〈株式会社seki.design〉が大切にするのは、nLDKや畳数では語ることができない、その家族だけの住まいのカタチだ。互いを思いやる心や安らぎ、真夏の木陰に吹き抜ける風、あるいは春のひだまりのような心地よさ︱そんなやさしさや言葉で表すことが難しい“想い”をくみ取り、建築のカタチに落とし込むことを大切に考えている。その場所だからこそ、そのご家族だからこそ。そんな唯一無二の暮らし方をきっとカタチにしてくれる。
里山をたのしむための
コートヤードハウス/
西宮・里山の白い家
西宮市
設計 | 株式会社 seki.design |
敷地面積 | 597㎡ |
1階 | 196㎡ |
家族構成 | 2人(夫婦+犬) |
構造 | RC造 |
構造設計 | KAZU建築設計 |
構造設計 | 2015年9月〜2021年5月 |
構造設計 | 2021年6月〜2023年2月 |
構造設計 | 株式会社コネクシオホーム |
株式会社seki.design
神戸市を拠点にデザイン住宅・別荘・セカンドハウスをはじめ、住宅付複合ビルやクリニック、店舗、集合住宅の新築やリノベーションといった建築の企画から設計・監理まで幅広く請負う、少数精鋭の設計事務所
INFORMATION
株式会社 seki.design
住所 | 神戸市中央区中山手通5-2-3 扇都センタービル601 |
TEL | 078-351-6128 |