「東京」 一覧
モダンと和の風情を融合した
都市型切妻の家
株式会社 杉坂建築事務所
施主様の要求を叶えたRCと木造の混構造住宅
1954年に創業した「株式会社 杉坂建築事務所」は、伝統的な日本建築の技術を継承し、最先端の快適さと安心を備えた家づくりを行う設計施工一貫の住宅建築会社。洗練された和モダンの注文住宅のほか、古民家再生も手掛けている。
写真で紹介しているのは都市型和モダンの新築住宅。隣は駐車場ではあるが、いつ新しい建物が建つか分からず、相対的な視線への配慮も必要とされる都心の密集地に建てられた。
施主様からは、建てるならこの国らしい木の家で切妻屋根。30帖以上の広いLDK、子供達にも引き継いでゆける長期的な居住性(構造安定・快適)、資産としても安心感を持てるもの。そして手持ちの家具(米・スティックレー社製)に合わせたインテリアデザインにという希望があった。
要求された規模から3階建ての計画となり、1階をRCとする事で2階に無柱空間を実現するための構造部材を効果的に固定できる仕組みを図った。LDKにはカーテンを使わず、ステンド風のデザイン障子と水平ラインを強調した木部材、部分的に木格子をアクセントとして活用し、フランク・ロイド・ライトの意匠を意識した。木部材は全て天然木であり、本物の質感にこだわっている。仕上げには、無垢材と漆喰や珪藻土などの左官仕上材を基本とし、身体的・精神的なやすらぎと、経年でのエイジング変化も愉しめるようにした。
ファサードは引きをとる事で圧迫感なく、車の利用のしやすさにも配慮。管理上の側面から植栽は控えめとしながらポイント効果を活かすようにした。
都心に建てる3階建ては様々な規制が掛かり、どうしても機能的・合理的な建て方を余儀なくされる。それが現代の都会的街並みをかたちづくりつつあると言える。しかしそれでも無垢の木を職人の力で組む造りをベースとする事が求められ、ここではそれを追求した。目に見えない部分にこそ、その価値が宿っている。
日本の文化的財産として住まいづくりに於いて大事なものを無くしつつある現代の住宅事情。伝統的な建築技法の中に最新技術を取り入れ、住む人の想いに応えながら立地条件を考慮し、健康的で快適に世代を超えて住み継いでゆける家づくりを提案する「杉坂建築事務所」。新築からリフォームまで“本物”を大切にした住空間を提供してくれる。
■都心に建つ強度の高い木造住宅
東京都新宿区 K様邸
設計・施工 | 株式会社 杉坂建築事務所 |
敷地面積 | 165.29㎡ |
床面積 | 1階 90.16㎡、 2階 96.66㎡、 3階 62.35㎡ |
構造 | 1階RC、2階・3階木造 |
設計期間 | 2018年5月〜2018年8月 |
工事期間 | 2018年9月〜2019年5月 |
株式会社 杉坂建築事務所
効率を重視した大量生産型や企画型住宅が多い中、1954年の創業以来、日本の伝統的な家づくりを原点に、時代の変遷と共に機能性や快適性、工夫を凝らしたデザイン、耐震やパッシブデザインを含む省エネルギーに関する最新の技術や機器を取り入れた注文住宅を、設計施工一貫で手掛けてきた杉坂建築事務所。国産の無垢材や自然素材を大切に活用し、熟練の職人が手掛けることを基本姿勢とし、そこに住む人の想いに応えながら、その土地の気候風土や立地条件を考慮し、健康的で快適に住める家、世代を超えて住み継がれてゆく家づくりを行っている