伝統的な日本建築の知恵と技を受け継ぐ
木の素材感が際立つ美しい家
福井県を中心に、住宅・店舗の新築やリフォームを手掛ける〈株式会社斉藤重一建築〉の持ち味は、木の質感や素材感を重視し、熟練の職人が手がけた上質な空間にある。木材は、夏と冬の寒暖差が激しく高湿度という北陸の過酷な気候条件に適合し、視覚的にも美しく素足や手肌に心地良い桧を採用。構造には、木が最も強度を発揮する無垢材の丸太や桧八寸柱を取り入れることで、内部の強靭さを図っていることも同社のこだわりで、全国一律の数値で測る耐震強度ではなく、この土地に求められる強度を備え、数世代先までも安心して住み継ぐことができるどっしりとした頑強な躯体を実現。仕入れから、工場においての乾燥工程、加工、仕上げまでを自社にて一貫して生産できる体制も確立し、常に良材の提供に努めていることも大きな安心材料だ。
P84〜P88上段の邸宅は、宙に浮かんでいるかのように見せるため基礎を1mほど上げた外観が独創的で、緩やかな勾配の屋根と深い軒で水平ラインを強調した重厚感のある佇まいにも目を奪われる。LDKを中心に、パブリックゾーンとプライベートゾーンが区分けされ、深い軒に守られるテラスや家族のためのサンルームなど、思い思いの場所で自由に過ごせる空間が、家での時間をより一層心地良いものに。また、30畳の広々としたLDKの尺一寸角のケヤキの大黒柱、木目が美しい杉の一枚板を使用した天井や天然木の軒天等、適材適所に配され無垢材は同社の真骨頂と言えるもので、空間の美しさを際立たせている。
P88下段〜P89でご紹介しているのは、和と洋の要素が絶妙のバランスで融合するモダンな邸宅で、桧の天井と廊下に畳を配した玄関ホールは、風雅な旅館さながらだ。また、間接照明や意匠性に富んだペンダントライト等、美しい空間が引き立つ照明の使い方にもセンスが光る。
こだわるのは、何よりもまず住まい手の幸せ。日本人の暮らしにはるか昔から寄り添ってきた桧や無垢材で、これから先数世代にわたって住み継ぐことができる家を、同社と共に今度なあなたが形にして欲しい。