性能に裏打ちされたデザインで
長く快適に暮らせる住まいを実現
合同会社DEMU建築設計事務所
福井県唯一のトラウマを扱うカウンセリングオフィスを併設
家族もクライアントも心地良く快適に過ごせる邸宅
2階外壁に配した焼き杉が、ほどよく引き締まった表情とラスティックな温かみを添えるこの邸宅は、カウンセリングオフィスを備えた店舗併設型住宅。一年を通して温湿度がコントロールされた空間を省エネで実現すること。カウンセリングに訪れるクライアントがリラックスできる空間であること。さらに、ヨガやドッグランなどクライアントの症状改善に寄与する付随要素を備えていることが施主様からの主な要望にあった。
邸宅は2階建てだが、住居部分をほぼ2階に集約し、平屋のような間取りに。西側には建具も少なくおおらかな“開いた空間”とし、東側には脱衣浴室・トイレ・寝室等の“閉じた空間”をまとめ、明確に区分けすることで各室に必要な解放感と落ち着きを共存させている。北側にはパントリー⇔キッチン⇔ダイニング⇔洗面・トイレ⇔脱衣浴室と家事動線を集約し、南側にLDを中心とした各居室をまとめ、各所にスムーズアクセスできる直線的な動線に。
また、66坪の広い建物全体で、店舗部1台と住居部1台のエアコンと循環ファンで全館冷暖房を実現している点も特筆すべき点といえる。しかも汎用品の壁掛エアコンの採用で、故障時等の交換もスムーズかつ比較的安価にできるように配慮されている。
「建物の断熱気密性能を高くすれば少ないエネルギーで冷暖房できるのは自明の理だが、細かく区切られた各部屋を温度ムラの少ない状態で維持するには専門的な知識や技術が不可欠だ。こういったノウハウをもった建築士はまだまだ少ないが、これからは最低限の能力だと思う」と、〈合同会社DEMU建築設計事務所〉代表・出村昌也氏。
立地条件により南に正対せずに東に35度傾く邸宅は、冬季は朝方から夕方まで窓から十分に日射取得できるように配慮され、建物内の採光と暖房負荷の低減に大きく寄与。冬でも晴れの日であれば日中は無暖房で室温をキープできるというから驚きだ。ただし、逆に夏季は朝方から夕方までジリジリとした日差しが入ることになるが、南に正対していない為、軒の出で日射をコントロールする事は困難だ。そこで、外壁内に仕込んだ遮熱シェードにより当該窓からの日射を90%以上遮蔽することで、冷房効率も各段に上がり快適に過ごせる空間に。
ずっと居たくなるような居心地の良い空間―過度に主張せず長きにわたり相棒になってくれる住まいの姿がここにある。
寄安の家
(Counseling Office Little Piece)
福井県福井市
設計・施工 | 合同会社DEMU建築設計事務所 |
敷地面積 | 572.58㎡ |
1階 | 113.10㎡ (内店舗面積/ 98.86㎡) |
2階 | 106.39㎡ |
家族構成 | ご夫婦2人・犬(予定) |
構造 | 木造2階建 |
構造設計 | 合同会社DEMU建築設計事務所 |
設計期間 | 2022年12月〜2023年5月 |
工事期間 | 2023年 8月〜2024年5月 |
施工 | 山﨑建設株式会社 |
断熱気密性能 | UA値:0.32W/㎡K C値:0.3c㎡/㎡ 耐震:積雪1mで耐震等級2 (無積雪で耐震等級3) ※許容応力度計算による |
合同会社
DEMU建築設計事務所
2009年、福井市高木町にてDEMU建築設計事務所設立、2019年、越前市に移転後、2022年に合同会社DEMU建築設計事務所設立。デザインの為のデザイン設計ではなく、性能とデザインのバランスを重視し、住む人が快適に暮らせる住まいを提供することを心がける