間(MA)を読み解き
ひとつひとつの間をデザイン
AtelierMA
遮るもののない眺望という贅沢を
快適かつ安心して愉しむための工夫が満載
空間、間取り、時間︱。「間(MA)」と聞いてあなたは何をイメージするだろう。ご紹介する「AtelierMA」は、お客様が考える「間」を読み解きながら丁寧に設計・デザインすることで、その人らしさを物語るたったひとつの建築を提案していくことがポリシーだ。
例えば南に開けた高台に建つ写真の邸宅。北側の往来から見ると2階層。バルコニーテラスが張り出した南側からだと3階層になっていて、この高低差を利用したテラスは晴れた日には視線の先に富士山を望み、空に向かってのびやかに張り出している。さらに、リビングと一体化させているので、リビング自体も宙に浮くようなダイナミックな広がりを満喫できる。
一方で、ただ、やみくもに南側をオープンにするだけでは、陽射しを受けすぎ室内が熱くなりすぎる。そこで、ドイツ生まれの外付け電動ブラインドを採用し、必要に応じて簡単なボタン操作で採光を調節できる機能もプラス。カーテンはつけたくない。が、何らかの防犯対策や遮熱対策を講じたい、という方におすすめしたいアイデアだ。
また、何ともうらやましいのが、ホテルライクなビューバスで、間口いっぱいのフルワイドの窓を開け放てば気分はまさに露天風呂。バスタブが床面に埋め込まれているので、風呂場というよりは、水場を備えた美しい部屋、という印象すら受ける。
シンプルモダンな空間は、内外装は白を基調に、床は天然木のブラウン、金属製の窓サッシやスチール手摺はブラックで。家具やキッチン・アクセントはグレージュでまとめ、植栽は色を欲張らずに翠で統一。このように色を分けてグルーピングする手法によって、飽きのこない落ち着きのあるトータルデザインとしている点も大いに参考にしたい部分だ。
リビングからテラスにつながる間を大切にし、仕上げ材から家具や植栽などでリゾート感を演出されたこの空間は、都心の喧騒から離れ、住む人に安らぎを与えてくれる唯一無二のもの。
お客様との「間」も大切にする「AtelierMA」と、竣工に至るまでのかけがえのない時間を心から楽しみながら、理想の家を実現させてみてはいかがだろう。
国分寺の高台に建つ家
東京都国分寺市
設計 | AtelierMA |
敷地面積 | 234.45㎡ |
1階 | 82.81㎡ |
2階 | 57.96㎡ |
家族構成 | 4人家族 |
構造 | 木造在来軸組工法 |
設計期間 | 2021年2月〜2021年9月 |
工事期間 | 2021年10月〜2021年4月 |
AtelierMA
牧野紘可/ Hiroka Makino
建築系専門学校を卒業後アトリエ系設計事務所に勤め、住宅設計の経験を積みつつ、複数の設計事務所を渡り歩き、様々な価値観や設計手法を学ぶ。2020年、10年間の下積みを経て、建築士事務所として独立