美しさと機能性が共存する
家族みんなが和む家
株式会社 松本直子建築設計事務所
自然と共生する日本人の暮らし方を原点に
シンプルで普遍性を有するおおらかな空間を提案
前半3ページでご紹介するのは、設計者である松本直子氏の母親と弟家族のための2世帯住宅「a memorable house」︱記憶に残る家。かつてこの土地には祖父母が暮らす木造の平屋が建っていた。松本氏が小学生の時に、松本氏の家族も一緒に暮らす2世帯住宅に。そして祖父母の代から40年以上の歳月を経た今、3代目となる新たな家が時を刻み始めた。
のどかだった家の周囲は、3階建てや賃貸住宅も林立する密集地に。こうした場合、2階をLDとし、空への開放感やプライバシーを確保することが定石だ。が、松本氏はあえて1階に。両世帯共に寛ぎの場所から地植えの庭木を望み、カーテンレスで過ごせる工夫を施している。庭木や草花の手入れを愉しむ亡父の姿、季節の花の香り、地面に降り積もる雪。こうしたやさしい記憶を受け止めてきた土地への想いを大切にする、松本氏だからこその設計と言えるだろう。
また、杉板型枠コンクリート打ち放しの塀や木格子、外壁左官の塗り壁、道路側の生垣など視覚的に自然を感じる優しい印象の素材を使い、室内も床材や壁材、サッシなどにも、自然由来の素材を多用することで、住宅密集地とは思えない心地よく静かな空間に。
次でご紹介する「龍ヶ崎の住まい」は、「平屋で、子供室とサブリビングは2階へ」との要望に沿って計画された。平屋の面積が広く、奥へ進むほど空間の中央に陽が届かなくなることを避けるため、植栽を配した中庭を数か所に。終日多方向から陽が回り、風もよく通る。
開放的な1階と屋根裏を思わせるこもれる場所、下げた床によって土を感じるリビングと床を高くした離れの和室など、平屋中心の邸内は変化に富み、家事動線、来客動線も考えられている。
四季が巡る屋外との一体感、採光や通風の快適性、動線の楽な回遊性、暮らしを美しくする収納計画、経年変化の豊かさを感じる自然の素材、そして暮らし方や嗜好の変化も許容するシンプルかつ普遍性に富んだおおらかな空間。
日本の気候風土に適した暮らし方を原点に、ご家族が和む美しい住まいを創造する建築事務所である。
a memorable house
東京都中野区
| 設計 | 株式会社 松本直子建築設計事務所 |
| 敷地面積 | 181.18㎡ |
| 1階 | 122.75㎡ |
| 2階 | 58.43㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子/親(2世帯住宅) |
| 構造 | 木造(耐火) |
| 構造設計 | 諏訪部建築事務所 構造設計室 |
| 設計期間 | 2020年11月〜2021年8月 |
| 工事期間 | 2021年9月〜2022年4月 |
| 施工 | 株式会社ウルテック |
| 撮影・写真 | 小川重雄 |
龍ヶ崎の住まい
茨城県龍ヶ崎市
| 設計 | 株式会社 松本直子建築設計事務所 |
| 敷地面積 | 1117.14㎡ |
| 1階 | 237.08㎡ |
| 2階 | 61.35㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子供 |
| 構造 | 木造 |
| 構造設計 | 株式会社 ユウプラン設計 |
| 設計期間 | 2017年6月〜2018年3月 |
| 工事期間 | 2018年4月〜2019年5月 |
| 施工 | 株式会社 蔵持 |
| 撮影・写真 | 小川重雄 |
■建築家/松本 直子氏
家族が和むシンプルで美しい住まい・日本の気候風土にあった住まい・開放感とプライバシーの両立・回遊性・空間の変化・自然の素材を軸に、暮らしの豊かさ、愉しさを長い年月を経てなお感じて頂けるように、一軒一軒丁寧に設計監理を行っている
経歴
1969 東京都生まれ
1992 日本女子大学住居学科卒
1994 川口通正建築研究所
1997 松本直子建築設計事務所
2017 株式会社松本直子建築設計事務所
株式会社 松本直子建築設計事務所
個人住宅を中心に、共同住宅、保育、こども園といった施設の設計・監理をはじめ、リフォームや内装といったジャンルまで幅広く対応。
INFORMATION
株式会社 松本直子建築設計事務所
| 住所 | 東京都中野区新井5-5-10-1304 |
| TEL | 03-3385-6303 |
| HP | https://n-matsumoto1997.com/ |
![[a memorable house]子世帯の吹抜上部からリビングダイニングキッチンを望む](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko07.jpg?w=920&ssl=1)
![[a memorable house]親世帯玄関から中庭方向を望む。木格子で互いの気配が緩く伝わる](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko03.jpg?w=920&ssl=1)
![[a memorable house]寝室を兼ねた親世帯の和室。東からの採光を得られる位置としている](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko04.jpg?w=920&ssl=1)
![[a memorable house]南道路からの外観。プライバシー確保のために塀は高めにしているが、杉板の木目が転写されたコンクリートの表情で印象を和らげている](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko02.jpg?w=920&ssl=1)
![[a memorable house]](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko06.jpg?w=920&ssl=1)
![[龍ヶ崎の住まい]ダイニングから南庭の中央に突き出したデッキ。デッキ際に植栽を配して一体感を](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko08.jpg?w=920&ssl=1)
![[龍ヶ崎の住まい]リビングからダイニング方向を望む。ダイニングとの境はTV台の家具で緩く仕切っている](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko011.jpg?w=920&ssl=1)
![[龍ヶ崎の住まい]90度に連なる2面が開放できる、離れの和室。庭を眺めたり、リビングダイニングの気配を感じとれる](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko09.jpg?w=920&ssl=1)
![[龍ヶ崎の住まい]廊下からリビングへ。2段(300mm)リビングは床高さを下げている](https://i0.wp.com/luxe.jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2026/07/luxe_2026kenchikuka_matsumotonaoko010.jpg?w=920&ssl=1)